この度、ゼネラルリサーチ株式会社(代表取締役:五條 寿朗、本社:東京都渋谷区)は、企業の人事担当者と2021年卒の大学生を対象に、「オンライン内定式のメリットと課題」に関する意識調査を実施しました。
新型コロナウイルスの感染拡大は、企業の採用活動や学生の就職活動にも大きな影響を与えています。
感染拡大防止のために、「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」の、いわゆる“3密”を避けた行動や、ソーシャルディスタンスの確保を徹底する必要に迫られ、採用活動や就職活動も一気にオンライン化が進んでいるようです。
当然ながら、オンライン化の波は企業の「内定式」にも及んでおり、“オンライン内定式”の実施を検討している企業も多いと思います。
これまでとは異なる内定式について、企業の人事担当者はどう見ているのでしょうか?
また、オンラインでの就職活動を余儀なくされた2021年卒の学生たちは、オンライン内定式に何を思っているのでしょう?
“オンライン内定式”での期待と課題は一体何なのか、これからの“新しい生活様式”として、内定式はどうあるべきか、関心を寄せている方も多いでしょう。
そこで、ゼネラルリサーチ株式会社では、企業の人事担当者と2021年卒の学生を対象に、「オンライン内定式のメリットと課題」に関する意識調査を実施しました。
1.人事担当者の声|オンライン内定式の最大のメリットは“新型コロナウイルス感染対策”
2.人事担当者の声|36.9%がオンライン内定式による“内定者同士の交流の減少”を懸念
3.人事担当者の声|44.4%が“感染対策を講じた上でのオフライン内定式の維持”を希望している
4.21卒学生の声|61.7%がオンライン内定式のメリットは“交通費や宿泊費がかからない”と回答
5.21卒学生の声|63.1%がオンライン内定式の“他の内定者と交流できない”ことに不安を抱いている
6.21卒学生の声|不安払拭のために企業に求めることとは
7.総括
まずは企業の人事担当者に、2021年度新卒入社の内定式について伺いました。
<図1>「2021年度新卒入社の内定式はオンライン、オフラインのどちらで実施予定ですか?」と質問したところ、
『基本的にオンラインで希望者のみオフライン(34.0%)』という回答が最も多く、次いで『完全オンライン(24.7%)』『未定(15.0%)』『例年通りオフライン(13.3%)』『会場を分散してオフライン(12.9%)』と続きました。
やはり“オンライン内定式”を予定している企業が多いようです。
続いて、「“オンライン内定式”を行うメリットを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、
『新型コロナウイルス感染対策を万全にできる(50.5%)』という回答が最も多く、次いで『内定者の新型コロナウイルス感染への不安を払拭できる(46.4%)』『内定者の入社前の不安(内定ブルー)を払拭できる(28.3%)』『内定者の会社への安心感を高められる(21.2%)』『内定者の入社前辞退を防止できる(18.0%)』『内定者の交通費や宿泊費などの負担を抑えられる(17.1%)』『コストの削減ができる(15.2%)』『会社のBCP対策ができる(5.9%)』と続きました。
新型コロナウイルスへの感染リスクを減らすことが最優先事項であり、万全な対策ができることが一番のメリットだと感じているようです。
それに付随して、内定者が抱いている感染への不安や、入社前の不安払拭にも期待していることが伺えます。
では、例年とは異なる“オンライン内定式”という形式のどのようなところに課題があると感じているのでしょうか?
「“オンライン内定式”での課題を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、
『内定者同士の交流の減少(36.9%)』という回答が最も多く、次いで『大人数の参加による通信不具合発生のリスク(36.0%)』『内定者の期待と会社のビジョンとの乖離(30.0%)』『出席する内定者の減少(25.7%)』『内定者懇親会が開催しにくい(22.1%)』『内定者と既存社員の接点の減少(17.5%)』と続きました。
オフラインでの内定式とは異なり、内定者同士が直接顔を合わせることができないことによる交流の減少を懸念している方が多いようです。
また、大勢が一堂に会する式典のため、通信不具合などのリスクや、さらには、内定者の期待と会社のビジョンとの乖離といったことが、“オンライン内定式”での課題と感じている方が多いようです。
最も懸念している課題と、その対策について伺ってみました。
■“オンライン内定式”で最も懸念していることとその対策とは?
・内定者同士の交流が減るため、部署ごとに定期的にZoomでの交流の場を設けている(20代/女性/東京都)
・内定辞退者増加の可能性。こまめに連絡を取り、入社意欲を維持してもらう(20代/男性/東京都)
・大人数の参加による通信不具合発生のリスク。何台かのパソコンに分散させて通信不具合リスクの分散をする(20代/男性/高知県)
・会社と内定者とのコミュニケーション、内定者同士のコミュニケーション、何度もコミュニケーションをとるオンライン会を開催する (40代/女性/東京都)
・会社の理念がきちんと伝わるか。前もっての配布と新入社員の意識の確認(40代/男性/茨城県)
などの回答が寄せられました。
“オンライン内定式”でも通常の内定式と変わらない「内定の実感」が得られるよう、工夫している様子が伺えます。
新型コロナウイルスの感染拡大は依然として終息の兆しが見えず、現在も新規感染者が発生しています。
withコロナ時代は、“新しい生活様式”のひとつとして、内定式の在り方も変わっていくでしょう。
では、企業の人事担当者は今後の内定式をどのようにしていきたいと考えているのでしょうか?
「“新しい生活様式”として今後の内定式をどうしていきたいですか?(複数回答可)」と質問したところ、
『感染対策を講じた上でのオフライン内定式の維持(44.4%)』という回答が最も多く、次いで『オンライン内定式への変更(33.5%)』『新たなプログラムやコンテンツの追加(29.8%)』『内定者懇親会の実施方法の変更(21.1%)』『内定式の日程の後ろ倒し(11.2%)』と続きました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリモートワークが急速に普及したように、内定式もオンライン化を推進していくのかと思いましたが、人事担当者の思いはあくまで『オフラインの維持』であるようです。
内定者同士の交流の機会などを考慮すると、オンラインよりもオフラインでの内定式が理想なのかもしれません。
また、『新たなプログラムやコンテンツの追加』と回答した方も少なくありませんでした。
従来の内定式とは異なるプログラムやコンテンツとは、一体どのようなものを描いているのでしょうか?
前の質問で『新たなプログラムやコンテンツの追加』と回答した方に、「どのようなプログラムやコンテンツを追加したいですか?」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。
■新たに追加したいプログラムやコンテンツとは?
・みんなが安心し、気軽に質問できるコンテンツ(30代/男性/京都府)
・社長、役員会場テレビ電話(30代/男性/群馬県)
・参加していることを実感できるようなコンテンツ(40代/女性/東京都)
・オンラインランチ会(40代/女性/神奈川県)
・オンラインで内定者同士や先輩社員と気軽に交流できるプログラムなど(40代/女性/大阪府)
・皆が一体感がもてるような顔見せツール(40代/女性/愛知県)
・自己紹介ビデオメッセージ(50代/男性/千葉県)
・同期入社の人たちで交流ができるようにする(40代/男性/徳島県)
・これからの教育実習とプログラム、社会人としての規律を理解させるコンテンツ(50代/男性/北海道)
・実践的な研修カリキュラム(50代/男性/東京都)
新型コロナウイルスの感染拡大が今後いつまで続くかは未知数ですが、“新しい生活様式”として今後“オンライン内定式”が定着していくと仮定しても、オフラインと同様の交流の機会が設けられれば、内定者の入社前の不安、いわゆる「内定ブルー」を防ぐことができるかもしれません。
ここまで、企業の人事担当者に“オンライン内定式”について聞いてきましたが、ここからは、内定者である2021年卒の大学生に、“オンライン内定式”について伺っていきたいと思います。
まずは、内定した企業の内定式について伺っていきましょう。
「内定式はオンライン、オフラインのどちらですか?」と質問したところ、
『まだ未定(42.4%)』という回答が最も多く、次いで『完全にオンライン(27.6%)』『完全にオフライン(14.8%)』『基本的にオンラインで希望者のみオフライン(9.9%)』『会場を分散してオフライン(5.2%)』と続きました。
調査を実施した2020年9月16日~18日の時点ではまだ未定という方が多いようですが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況などを踏まえ、『完全オンライン』での内定式となった方も少なくないことが伺えます。
では、内定者が感じている“オンライン内定式”のメリットとはどういったことなのでしょうか?
続いて、「“オンライン内定式”で感じるメリットを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、
『新型コロナウイルスの感染リスクが減る(70.8%)』という回答が最も多く、次いで『会場に行かずに済む(64.6%)』『交通費や宿泊費がかからない(61.7%)』『日程の調整がしやすい(23.0%)』『家族が安心できる(14.2%)』『会社に対する安心感が高まる(12.8%)』『社長や役員、先輩社員との距離感が近く感じる(5.8%)』と続きました。
人事担当者の回答と同様、やはり新型コロナウイルスの感染対策が最大の関心事であるようです。
また、遠方にお住まいの方にとっては、内定式に出席するために、会場まで足を運ぶ時間的負担や経済的負担が軽減できることも、メリットと感じているようです。
ここまで、企業の人事担当者に“オンライン内定式”について聞いてきましたが、ここからは、内定者である2021年卒の大学生に、“オンライン内定式”について伺っていきたいと思います。
内定者が感じている“オンライン内定式”のメリットが分かりましたが、その一方で、“オンライン内定式”だからこその不安もあると思います。
では、どのようなことが不安なのでしょうか?
先の質問で、『完全にオンライン』『『基本的にオンラインで希望者のみオフライン』と回答した方に、「“オンライン内定式”での不安を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、
『他の内定者と交流できない(63.1%)』という回答が最も多く、次いで『入社する実感が湧かない(59.1%)』『会社のことが分かりにくい(43.1%)』『先輩社員の話が聞けない(25.9%)』『研修に参加できない(19.3%)』と続きました。
『内定者同士の交流の減少』という、まさに人事担当者が懸念していることが、内定者にとっても最大の不安要素となってしまっていることが浮き彫りとなりました。
また、『入社する実感が湧かない』という不安も、オンライン特有の不安と言えるでしょう。
実感が湧かないことに起因する内定辞退者の増加を防ぐためにも、企業側には内定者の不安を払拭する努力が求められているのかもしれません。
内定者が抱く“オンライン内定式”への不安が分かりましたが、そういった不安を払拭するために、企業側にはどのようなことを求めているのでしょうか?
そこで、「不安の払拭のために会社にして欲しいことを具体的に教えてください」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。
■内定者が考える“不安払拭のために企業にして欲しいこと”とは?
・内定式以外でも内定者とオンラインで話す機会が欲しい(女性/岐阜県)
・少人数、短時間で会社に集まる機会が欲しい(女性/兵庫県)
・新入社員だけのブレイクアウトセッション(女性/神奈川県)
・会社に一度も行けていないことが不安のため、個別でもいいから行きたい(女性/福岡県)
・どんなことでもいいのでこまめな連絡。連絡がほとんどない企業だと自分が本当に内定者なのかさえ不安になる(女性/神奈川県)
・グループワークを増やすなど、オンラインであっても直接顔の見える関係を作れるように考慮して欲しい(女性/静岡県)
・出入り自由のオンラインチャットルーム。Discordのような(男性/香川県)
・画像や動画などを使って会社の説明(男性/茨城県)
・ほかの内定者とのコミュニティを作る(男性/京都府)
・社員の紹介などをオンラインを通じてやって欲しい(男性/東京都)
企業側は、こういった内定者の希望を踏まえた上で、不安の払拭へと繋がる新たなプログラムやコンテンツの追加を検討する必要がありそうです。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、“オンライン内定式”の実施を予定している企業は多いようです。
“オンライン内定式”は、感染リスクの低減といったメリットがある一方で、内定者同士の交流機会の減少や、内定者の実感が湧かない、また、内定辞退者の増加への懸念などの課題も残っているようです。
新入社員は、将来の会社の発展に貢献してくれる貴重な人材となりますから、例え“オンライン内定式”が新しい生活様式として定着したとしても、それを理由に限界値を設定することなく、内定者が入社後に「この会社に就職して良かった」と思える体制づくりが、withコロナ時代には求められていると言えそうです。
未曾有の事態で手探り状態という企業も多いと思いますが、“オンライン内定式”のメリットを最大限享受し、課題を払拭できるよう、内定者の声も聞き入れながら体制づくりを行っていきましょう。
・国内モニター総数1,022万人
・42項目の属性パネルでセグメント設定可能
↳調査目的に対して、最適な調査形式・機能をご提案致します。
会社名 | ゼネラルリサーチ株式会社 |
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担当者 | 広報担当宛 |
お電話 | 03-6418-2803 |
メール | pr@general-research.co.jp |
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最初に調査するにあたっての課題のヒアリングを行い、ゼネラルリサーチが調査設計から
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