この度、ゼネラルリサーチ株式会社(代表取締役:五條 寿朗、本社:東京都渋谷区)は、東日本大震災前後での「防災」に関する意識調査を、全国20代〜60代の男女を対象に実施いたしました。
まもなく東日本大震災が発生してから9年が経とうとしています。
2019年(令和元年)12月10日時点でこの震災による死者・行方不明者は1万8,428人、建築物の全壊・半壊は合わせて40万4,893戸が各省庁から公式に発表されています。
復興庁によると現在でも5万人近くの避難者が仮設住宅で生活しているなど、今もなお消えない大きな爪痕を残しています。
また、東日本大震災の発生から現在に至るまで全国各地で地震や台風による被害が相次ぎ、自然災害の怖さを何度も目の当たりにしてきました。
近年の日本を語る上で「自然災害」は外せないワードとなっていますが、“防災”という観点で人々の意識はどのような移り変わりがあったのでしょうか。
1.東日本大震災発生前後の防災グッズに関する意識について
2.東日本大震災発生前後での防災グッズの内容について
3.東日本大震災発生前後での意識の変化について
4.災害時に最も重要だと思うものについて
5.総括
まず、「東日本大震災の発生前後で防災の意識に変化はありましたか?」と質問したところ、7割以上の方が『はい(71.7%)』と回答しました。
<図2>続いて震災発生前後での防災意識を調査したところ、上記のグラフでは「何も準備をしていない」という回答が震災発生前は『62.7%』だったのに対し、震災発生後は『29.7%』にまで減少しています。
特に、「家族が数日間過ごせるだけの準備をした」という項目では、震災発生前は『7.6%』だったのに対し、震災発生後は『21.0%』にまで大きく増加しています。
このことから、震災に対する恐怖は、皮肉にも人々の防災意識を高めるという役割を果たすことがはっきりと分かりました。
前項では東日本大震災の発生で防災意識に大きな変化があったことが分かりましたが、震災が発生する前後で災害対策に変化はあたったのでしょうか?
調査の結果、『水』『食料』『発電式充電器』『マスク』の項目が特に増加しており、準備した防災グッズに関して震災発生後に減少している項目はありませんでした。
震災発生後はライフラインの供給が絶たれ、唯一の連絡手段や情報収集手段であるスマホや携帯電話、ラジオなどに限られます。
それらの電源が切れないように、発電式充電器の重要性も今後ますます高まるでしょう。
次に、東日本大震災発生当時から現在までに、結婚・出産などで家族が増えた方と、そうでない方の意識の違いを見ていきましょう。
震災後に家族が増えた方に関しては、『83.7%』が変化があったと回答し、家族構成に変化のない方は『59.9%』という結果になりました。
※家族構成に変化が無かった方は防災意識が低いということではございません。上記の調査結果は元々防災意識が高かった方も含みます。
家族が増えたことで防災の意識に変化があったという方に理由を伺ったところ、
『はい』と回答した理由
・以前は親に守られていましたが、今は自分が家族を守らなくてはならない(兵庫県/会社員/20代/男性)
・守らなければいけない大切な人が増えたので、使命感が増した(兵庫県/専業主婦/40代/女性)
・家族が増えたら心配もその分増えるから(群馬県/パート・アルバイト/40代/女性)
・あんな思いを子供にさせたくないから(山形県/会社員/20代/女性)
・守るべき対象が自分だけじゃなくなり、安全への優先順位が家族に移ったから(兵庫県/専業主婦/30代/女性)
『いいえ』と回答した理由
・すっかり忘れかけていた(神奈川県/パート・アルバイト/20代/女性)
・被災したわけではなかったから(群馬県/専業主婦/20代/女性)
・(災害が)起きるものは防げない(宮崎県/パート・アルバイト/30代/男性)
・なんとなく他人事のように思うから(千葉県/専業主婦/50代/女性)
上記のような回答がありました。
災害から9年という歳月は、大切な人を守らなければならないといった使命感を抱くには十分な月日と言えるようです。
反対に、『いいえ』と回答した方は、その大きすぎる被害規模に現実に起こったこととしての認識が持てないといった意見が多くみられました。
最後に、実際に被災された方と被災されていない方の災害時に重要だと感じるものの違いを調査しました。
上記のグラフから、重要だと感じる項目の順番に違いは見られませんが、注目すべきはその割合でしょう。
『電気、水道、ガスなどのライフライン』『水や食料』などの項目は、実際に被災された方と被災されていない方で大きな違いはみられませんでした。
ライフラインや水・食料が重要であることは共通認識としてあるようです。
しかし、『とっさの判断力』の項目に関しては、被災されていない方の割合に対して、意外にも実際に被災された方の方が少ないという結果になりました。
いざ実際に自然災害に遭遇した際、とっさの判断をとることが難しいといったことが考えられます。
多くの被災者を出した歴史的な自然災害が発生した3月11日は、毎年各地で慰霊のための式典が執り行われます。
多くのメディアがその様子を報じ、その日だけは日本の空気全体がどこか重く感じるという方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、こうした式典を行うことで自然災害の恐ろしさを風化させることなく、人々が“危機意識”をしっかりと持つきっかけになっていることもまた事実です。
震災発生当時から9年、自分を取り巻く環境に変化があった方は多いでしょう。
今回の調査でも、守るべき家族が増えた方を中心に意識の変化がはっきりと表れました。
東日本大震災から「もう9年」という方、「まだ9年」という方、様々な感じ方があるかと思います。
ただ一つ変わらないことは、過去に起きた大災害は例外や想定外ではなく、現状考えられる実際に起きた最悪の事態ということです。
こうした事態に対応すべく、個人だけでなく地域社会全体で危機管理を徹底すべきではないでしょうか。
ゼネラルリサーチでは、今後も引き続き調査を継続してまいります。
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↳調査目的に対して、最適な調査形式・機能をご提案致します。
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